2017年9月初頭、旅行へ行った。
その時、長期間母艦を使わない事になるので、ひさしぶりに電源を切った(普段は、この時に買ったノートPCからSSH接続で使用するため、ONにしっぱなし)。
厳密にはshutdownコマンドを発行しただけで、実際に切れたかどうかは確認していなかった。
その数日後、帰宅して母艦の前に来ると電源が切れておらず、激しくファンが回り続けており、電源もかなり熱を持っていた。わずかだがコンデンサが破裂した時の嫌な臭もする。この臭いは大嫌いだ。
強引に電源OFF後、充分に冷えた後で電源を入れてみたが、全く起動しなかった。
母艦は、DELL Optiplex760 SFF(Small Form Factor)。2009年12月に購入。
もう、9年も使っているが、去年、2017年の初春に主記憶を8GiBに増設し、64bit Ubuntuに入れ替えたばかりだった。
DDR2-SDRAMは1万円程度だったとはいえ、捨ててしまうのはもったいない。まだ1年経っていないのだ。
それに、VAIO-C1 VRX/Kも、15年以上使っていた。これは、まだムーアの法則が成り立っていた頃のものなので、数年の違いが数倍の性能差になる時期のものだ。今のPCとの性能差は少なくとも50倍ぐらいになる。実際には主記憶が少なくスラッシングが起きやすいので、100倍以上の差になる。今の機械で0.1秒で終わる処理も、10秒ぐらいかかる。はっきり言って使い物にならないのだが、それでも使っていたのだ。
たった9年前、しかもムーアの法則が成り立たなくなった後なので、性能差は10倍もない。あと10年は使える。
なんとかまた動くようにならないものか…
9月の時点でも少しだけ見ていた。
まず、電源を入れても、電源ランプはオレンジ色で、BIOSの画面も出ないし、ファンも回らない。状態を示すLEDを見ると、3と4が点滅。メモリ関係のエラーとなっていた。
試しに、2017年春に増設したメモリモジュールを抜き取ってみたが、変化なし。
いろいろなペリフェラルを外しても変化なし。
その後も時々、ネットで同型機の問題を調べていた。
Optiplex760は電源の問題がいろいろ出てくる。ウチでは夏にもエアコンを使わないので、電気製品はいつも苦しい思いをしている(想像)。
今までも何台ものPCが夏に起動しなくなった。今回も9月とはいえ、まだ暑い日が続いていた頃だ。
電解コンデンサは寿命があるものだし、熱に弱い。おそらくは、そのあたり原因だろう。
別のATX電源をつないで、起動するか試したいが、このOptiplex760 SFF(および同時期の他のSFF)のマザーボードの主電源コネクタは特殊なのだ。24pinだが普通の24pinよりも小さいものが使われており、ピン配置も違う(ピン配置は、Dell OptiPlex 760 サービスマニュアル のP133 「DC電源コネクタ P1」を参照)。そのため、普通のATX電源は使用できない。
これは面倒なことになりそうだと思ったところで、まとまった時間ができるまで放置していた。
ノートPCが使えるので、ほぼ問題はなかった。プリンタの設定はやり直すことになってしまったけど。
年末年始の休みに入り、もう一度きちんと調べ直すことにした。
起動ランプの点滅の仕方が9月と違っている。1と3が点灯し、電源がオレンジ点滅している。マザーボード、電源、ペリフェラルの障害の可能性だ。
やはり電源のようだ。分解して電源を見よう。筐体のふたを開けると、"MODEL NO." や、"P/N"が見える。
ネットで"R224M"を調べてみると、問題が改善された後の電源のようだ。じゃ、やっぱ電源故障じゃないのかなと思って、電源ユニットを外し、蓋を開けて中をみた。
コンデンサの1つが膨れていて液がもれたように見える。最初はあぶくのようなものも乗っかっていた。埃もたくさんついていたので、掃除機で吸い取ってしまった。後で写真をとっておけばよかったと思った。
掃除機できれいにした後の写真。
写真では解りにくいが、他のコンデンサと比べて明らかに中央が膨らんでいる。
エアコンのない夏、臭い、膨らんだコンデンサ、固まったあぶく。やはり電源の故障の可能性が高い。
取り外して、詳しく見てみる。
3300uFとなっているが、テスターで容量を計ったら1,000uF程度しかなかった。1/3以下。そこそこ抜けている。
"ltec Capacitor"を検索してみたら、台湾の輝城電子股份有限公司がみつかった。ロゴも同じだし、ここのものだろう。仕様書をダウンロードする。
LZGシリーズの3300uF 10V の寸法は、18x16 または 12.5x25 となっているが、実際に取り外したものを見ると、どう見ても10x30に見える。
なんだこれ?
仕様書上で、この寸法に近いのは、同じ耐圧なら2200uFのやつで、10x28だ。同じ容量なら、耐圧6.3Vのやつで、10x30だ。
すなわち、存在していないものが、目の前にある。
このOptiplexを購入した約10年前頃、コンデンサのリマーク品が流行っていた。まさかそれか?
容量の違いはテスターなどで簡単に確認できるが、耐圧を確認するのは難しい。また、耐圧10Vを+12V系につかうとは思えない。+5V系に使われていると思われる。もし、+5Vで使われていたのなら、耐圧6.3Vでもそう簡単には壊れないだろう。
まさか…とは思うが、そう考えたほうがすっきりする。
国産のコンデンサを探してみたが、低ESR品の3300uF10Vのものはどれも直径が12.5mmで、10mmのものはなさそうだ。
電源ユニット内部は、ギチギチで直径が2.5mmも大きくなると、うまく入らないかもしれない。
しかし、怪しい物を使う気にもならない。
国産の12.5mmのもので試して、どうしてもダメなら10mmのものを探してみる。
また、直径12.5mmなら、耐圧16Vや、容量の大きい物も選べる。平滑用なら多少容量が大きくても問題にはならないだろう。それらを使うのが良いかもしれない。また半田面に積層セラミックコンデンサを並列でつけて、電解コンデンサに入るリップル電流を抑えるようにしておけば、寿命も伸びるだろう。
とはいえ、近所でコンデンサは手に入らない。秋葉原でなら買えるだろうが、もうお正月休みに入っている。
(分解は12月31日に行っている。記事は1月3日に書いている)
通販で注文しても届くのはお正月あけだろう。ゴロゴロして待とう。
飲み過ぎたか、お腹もゴロゴロだし。
甦れ! Optiplex760 #2 へつづく。
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