花粉の季節が始まった。鼻血の季節が始まった。
今年は、血が固まりにくくなる薬を使っているので、余計にひどい。
河野さんなら、きっと花粉症対策米の実用化をわかりやすく進めてくれると期待していた。
しかし、色々あったようだ。
花粉症対策米、もう少し待たなければならないのか…。
花粉症といえば、くしゃみと目のかゆみだ。
さらに、鼻血が出始めると、喉がいがらっぽくなって、咳も出るようになる。
電車の中などで「ゴホゴホ」いっていると、このご時世、白い目で見られる。
それだけではない。
先日、朝の通勤電車の中で、赤ちゃんを抱っこした新人ママさん風の人が、隣に座った。
ピークオフ通勤をしているので、そこそこ早い電車だ。
多くの人々がオフピーク通勤しているので、乗車率的には80%ぐらいだろうか。ナニゲに密な環境だ。
隣で赤ちゃんが泣きだした。私が怖いのだろうか…。
私は以前、フィリピンによく行っていたので、赤ちゃんと鶏の鳴き声には慣れている。たいして気にならない。「なんかが騒いでいるな」ぐらいだ。
しかし、新人ママさんにしてみれば、赤ちゃんの泣き声は緊急地震速報のアラームのように「何かをしないといけない!」という衝動に駆られ、追い詰められていくのかもしれない(私は男なので詳細不明)。
泣き止まそうと一生懸命あやすが、泣き声は次第に大きくなり、本気モードで泣き叫び始めた。
...そんな時に限って、「ゴホン、ゴホン」と咳が出た。
「しまった!」と思ったが、時すでに遅し。
次の駅で、新人ママさんは泣き叫ぶ赤ちゃんを抱っこした状態ですっくと立ち上がり、朝のまだ寒いプラットホームへ下りていってしまった。
寒いのに朝早い時間の電車に乗らざるを得なかった理由があったはずだ。
私は罪悪感に責められていた。
コロナ以前から、不寛容社会は問題視されていた。コロナでますますそれが強くなっているように思う。
子供の頃、貧乏だった頃、感じたことがある。
ギリギリの生活の時、妥協が許されない時、それぞれが最善と思われる策をしている状態だと、相手のちょっとしたミスが許せなくなる。
それがさらに進むと「自分は努力しているのに、周りは努力していない。」と大した根拠もないのに(そう思わせる事がわずかにあるだけで)思うようになる。実際には誤解だったとしても。
不寛容社会は、誰でも肌でピリピリ感じているだろう。おそらくあの新人ママさんも。
咳は、鼻血が原因であり、そこに意味はなかった。
しかし、責められていると感じたのだろう。
不寛容社会の問題は、全世界に広がっている。
「機動戦士ガンダム」の激戦地帯がリアルにピリピリしている。
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