2020年4月19日日曜日

つぎの世界

約6,600万年前に、恐竜は絶滅した。
ユカタン半島に大きな隕石が落ちたのを引き金に、世界が変わったのが原因と言われている。

恐竜の時代は中生代(三畳紀、ジュラ紀、白亜紀)の1億8,000万年以上続いた。絶滅してから今まで6,600万年しか経っていないことを考えると、恐竜の時代がどれだけ長かったのかよくわかる。
隕石が落ちてこなかったのなら、恐竜は生き延びて文化を築いていたという人もいるが、ちょっと待て。
1億8,000万年使って文化が築けなかったものが、たった6,500万年で築けるだろうか?

その世界の条件に適応したものが繁栄する。
適応したものが一度繁栄してしまうと、世界は安定してしまう。
哺乳類の祖先である哺乳類型爬虫類は三畳紀には姿を表していたものの、恐竜との競争に負けて、中生代を通してずっと日陰の存在であった。
恐竜は大型化する戦略で繁栄を掴んだが、哺乳類は子供を確実に育てる戦略(卵ではなく赤ちゃんで生むとか、乳で育てるとか)で、1億8,000万年を生き残った。

ユカタン半島に隕石が落ちた後、世界は激しく変化した。
子育てにより、親から子へ経験や知恵が伝わる。知恵を伝える・受け取る能力は、群れで生活している他の個体との知恵の交換にも使われ、群れ全体に知恵が伝搬する。またその能力は、コミニケーション能力にもなっていく。
危機を察知する能力が生存に有利に働くことは言うまでもない。危険な経験が伝承・伝搬するのなら、学習した個体は生き残り、激動の世界にも素早く対応できる。
言うならば、「電子化されていない情報化社会」の到来である。これが隕石落下後の新しい世界で繁栄するための条件だったのだろう。
そして、それが文明を作っていくことになる。

世界が変わり、最適解が変わった。その結果、恐竜よりも哺乳類の方が適した世界になった。

新型コロナウイルスの流行により、世界が変わろうとしている。
成功した人達は、しばしば「危機こそチャンス」と言う。
往々にして成功した人達は、危機対処能力が高く見える。危機を乗り越えた時、その危機的状況を含めた対処能力を勝ち取るためかもしれない。

危機から逃げていたり、昔の生活にしがみついていたら、真の意味での対処能力は得られない。
対処能力がなければ、今はどんなに強くても恐竜のように滅亡するだろう。

COVID-19に限らず、20世紀末より自然災害が凶暴化しており、日本は数々の試練に耐えてきたし、学んできた。
今回の災害は世界的な危機であり、学ぶべき知恵は世界中にある。
学ぶ能力や新しいシステムを構築する能力を最大限にすることが、つぎの世界への近道だ。

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