今回のセブ ダイビング旅行で、交通事故にあい、足を怪我した。
擦り傷であるが、範囲が広いため、完治にはまだかかりそうだ。
しかしながら、既に怪我をしてから一週間以上がたち、だいぶ良くなってきた。
帰国直後は、立っていると足の内側から痛みが広がる感じだったが、金曜にはその痛みも我慢できる程度になり、今日に至っては、中央付近が「いたがゆく」なる程度になった。
(歩いていると痛みが無いので、金曜までは足を少し動かして、痛みをごまかしていた)
また、かさぶたが部分的に剥がれ、1割程度縮小した。
中央付近のいたがゆさがなくなれば、内部的にはほぼ治癒したといえるだろう。
中央部分の治癒が遅いのは、元々傷が周辺より深めであるというのもあるが、運悪く何度も怪我をしたためだろう。
怪我をした次の日、Last diveで、1時間以上潜っていたとき、どうしても小便がしたくなり、海の中でしてしまった。
当然、ウエットスーツの中にすることになるので、ウエットスーツは臭くなる。
水中でレギのパージボタンを押して空気を出し、上下逆さまになって、ウエットスーツの襟元から空気と水を流し込んで、足から抜くようにした。それを3回ほど行ったので、だいぶ水は入れ替わっただろう。
(1回ではあまり入れ替わらない。入れ替えて混ぜて、入れ替えるを繰り返すと良い)
フィリピンでのダイビングスタイルは、「殿様ダイビング」と呼ばれ、機材のセッティングから、メンテまでスタッフが行ってくれる。
小便臭いウエットスーツでもスタッフは文句を言わずに洗ってくれる。
自分で洗おうとすると、スタッフは「OK、OK」と言うが、なんか悪いので、自分で洗うことにしている。
今回も、ボートに上がった後、素早くウエットスーツを脱いで、ウエットスーツを持って海に飛び込んだ。
その時、偶然のいたずらで、片方のグローブまで海に持っていってしまった。
ボート上の仲間が、「しんちゃん、グローブ、グローブ」と言っているが、最初意味が解らず(自分ではグローブも一緒に海に入ったとは思っていない)、「グローブって何?」と聞き返していた。
その間、グローブは流され、船の後方1mぐらいの場所に行っていた。
慌てて取りにいく。取るまでは簡単だった。なぜなら流れが強いからだ。
そしてその流れ故に、戻るのはしんどい。片手でウエットスーツとグローブを持って、流れに逆らって泳いでもほとんど進まない。
ボートマンがそれに気がつき、船を押す棒を延ばしてくれた。棒に捕まると、船に引き戻してくれた。
そのまま、グローブとウエットスーツをボートマンに渡した(流れに逆らって泳いでいる間に、十分に洗えたはずだ)。
バンカーボートに上がるには、いくつかの方法がある。
ダイビング用のボートであれば、ラダーがついており、ラダーから比較的簡単に上がることができる。
また、アウトリガーから上がる方法もある。アウトリガーの先端は海面に接触しているが、船本体との接続している梁の部分は、半径1m ぐらいのカーブで、海面から立ち上がっている。ここを登るのはなかなか難しい(つかむところがあれば楽だが)。
ラダーは船の前の方にあり、泳がなければならない。片手にウエットスーツで流れに逆らって泳いでいたので、それなりに疲れており、体も十分に冷えていたため、できる限り早く海から上がりたかった。
そのため、アウトリガーから登ることにした。
カーブの部分を登ろうとしたとき、つかむところが右側に集中しており、力を入れようにもバランス良く力が入らない。
また、当然足の裏も水で濡れており、力を賭けた瞬間足が滑って、傷口を梁にぶつけてしまった。そのまま海に落ちる。
体温の低下が、はっきりと感じられる。全身の力が抜けていくような感じだ。可及的速やかに海から上がって、体を乾かして、何かを着なければならない。あせっていた。
そして、再度アウトリガーから登ろうとする。さっきよりも力が入らず、体がいうことをきかない。
またもや足が滑って、再度傷口を梁にぶつけ、海に落ちた。
そのとき、クラブ・ミュー・ダイバーズのエースガイド、エドガー君が「しんちゃん、ラダー、ラダー」と声をかけてきた。
エドガーの声で、問題解決方法を再度模索する気になった。
まずは、落ち着いて考える。
現在の体力では、アウトリガーから上がるのは不可能。それに加え、流れが強いのでラダーまで泳ぐ事も不可能。
しかし、アウトリガーを伝って、前に行くことは可能だ。少ない体力でボート前方に移動できる。
前に行けば、ダイビング前の水面待ちのときに捕まるロープがある。それを伝って、ラダーまで移動できる。
よく考えれば、こんな簡単な方法があるじゃん。
掴まり方、体の位置と向きをよく検討し、最小の消耗でボートに上がる計画をたてて、実行に移した。
ボートに上がると体が重い。
70分近いダイビングで体が冷えきった上に、しばらく裸で海に入っていたのだから、体力も限界だ。
体を拭いて、Tシャツを着る。また、こういうときは血糖値をあげるに限る。
ジュースを飲もうとすると、クーラボックスの上に、メッシュバックが積み上がっている。
そうだ。そうなのだ。
今日は私は最終日だし、他の仲間は明日からモアルボアルツアーだ。全機材をボートから一旦下ろすことになる。仕事熱心なスタッフは、既に機材をまとめ始めており、その荷物がクーラボックスの上に積み上げられてしまった。
残念ながら、ジュースは飲めない。
日の当たる場所へ移動して、太陽光で暖を取ろうとするが、夏休みの折、ちびっこがボートに乗っており、ボートも動き始めていたので、後ろには行けない。前はスタッフが片付けをしているので、前にも行けない。
潮の流れも手伝って、ボートは風を切って走る。どんどん体力を消耗する。
他に出来ることはないか考えた。
ラダーから上がろうとしたときにぶつけた傷口を見る。できかけのかさぶたは剥がれ、傷口は真新しくなっている。これは消毒しなければならない。真水もクーラボックスの中なので、海水を洗うこともできない。仕方ないので、そのまま傷口に赤チンを塗る。
他に出来ることは?…何もない。
気分だけでも落ち着けるために、ダバコを吸ってごまかした。
その次の日、マニラの空港で飛行機を待っているときにも同じ場所をぶつけてしまった。
立っていたのでは足の傷が痛むので椅子に座ろうとする。空港内には大勢がランダムに動き回っている。人を避けながら歩いていると、運悪く椅子の端に、傷口をぶつけてしまった。せっかく治りかけなのに…。
3日間、毎日、同じ場所をぶつけていた事になる。
これじゃ、なかなか治んないよ。
しかし、それもあと少しだ。あと3日もすれば、痛みは完全に消えるだろう。
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