100均ルーペで望遠鏡を作ったとき、カメラの三脚に取り付けできるようにしていた。
カメラの三脚のネジは、日本で一般的なミリネジ(JISネジともいう)ではなく、インチネジだ。
このコーヒーミルで使った1/4インチのナットは、三脚のネジに合う。
このナットが望遠鏡に付いていれば、三脚を固定できる。
ウチにあった大きなワッシャの穴を六角形に削って、ナットがはまるようにする。
ふちの4つの穴は、対象物に皿ネジで固定するために空けた。
六角形の穴にナットをはめている状態で、ナットとワッシャをはんだ付けした。
このワッシャは、15年ぐらい前、M10のボルトを使ってボール盤に板状のワークを固定するために使っていたもので、測ってみると厚さは2mm以上ある(SPCC t=2.6?)。
ボール盤の下側のナットをTスロットナットにしたので、使わなくなってしまった。
なんかもったいないので、とっておいたのだ。古いので一部錆びている。
今回、それを再利用した。
裏側を見ると、ハンダが全然隙間に入っていない。
実は、この記事の段階では、この状態だった。
これでも使えるのだが、表面で付いているだけなので、すぐに壊れてしまいそうだ。
鉄の表面にハンダを馴染ませるのはやや難しい。
充分に加熱する必要があるが、熱くなると表面が酸化しやすく、付きにくくなる。
そのため、隙間に入っていかないのだ。
こうなることは想像できていたが、はやる気持ちを押さえきれず、ついつい無理をした。
金属の表面を錫メッキすると、ハンダが馴染みやすくなる。
ステンレスやアルミは表面が酸化膜で覆われており、普通ははんだ付けできないと言われる。
それらでも、表面を錫メッキすることで、はんだ付け可能になる。
もちろん鉄でも、半田付けがすごく楽になる。
中学校で、ブリキのちりとりを作ったことのある男子は多いだろう。ブリキは鉄に錫メッキをしたものだ。
簡単にはんだ付けできたのは、錫メッキのおかげだ。
せっかく作ったが、一旦分解して、この方法でナットとワッシャを錫メッキした。
2ホゴで、メッキ不要な部分をマスキングして、メッキした。
メッキできた部分は、錫により白っぽく見える。
これなら、ハンダが馴染みやすいだろう。
もう一つ問題がある。
はんだを馴染ませるには充分な熱を加える必要がある。
また、作業するには何かしらの固定が必要だ。
金属は固く熱に強いので固定できるが、熱伝導率が高く熱が逃げやすい。そのため、小さなハンダゴテでは温度が上がりにくく、ハンダが馴染みにくい。
木材、紙、ブラスチックなどは金属よりも熱伝導率は低いが、熱に弱い。
これらの問題に対応するため、ウチにあったベークライト製の小さなユニバーサル基板の上で作業した。
安い片面基板なので、ハンダが漏れて基板に達したとしても、くっついてしまうことはない。
この状態ではんだ付けすると、ナットとワッシャの隙間にハンダが吸い込まれていく感じがする。
出来上がったのがこれ。
最初のハンダ付けでは、ハンダが盛り上がっていたが、今回はほぼ盛り上がっていない。
ブラッシングして、きれいにしたのがこれ。サビも落とした。
元々付いていたかのような一体感。
しかしながら裏を見ると、今ひとつ。
一部はウラ面まで達しているが、まだ隙間が残っている。
もう少し加熱するべきだった。
とはいえ、表面だけではなく隙間の多くが埋まっているので、期待できる。
また作るときには、注意することにして、このまま作業を続ける。
これを木ネジでMDFボードに取り付け、そのMDFボードをガムテープで望遠鏡に付けた。
サラもみももう少し必要かな。
本当にしっかりとしたものが必要なら、はんだ付けではなく、一体成型か溶接だろう。
しかし、相手はダサダサ望遠鏡だ。そこにこだわってどうする。ダサダサ上等。
W1/4"ナット×1、M10ワッシャ×1。合計200円もしない。
サンポールや鉛フリーハンダも必要だが、全部合わせてもぜいぜい300円程度。手間はかかるけどね。
一体成型にはかなわないかもしれないが、面で付いているので、強度は充分と期待できる。
三脚につけた状態がこれ。
三脚に付いても、ダサダサ感が半端ない。
一応、機能するのだが。
2022/12/18: 写真や言葉の表現を修正。
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