2024年1月20日土曜日

桜環境センターの工場見学

先月、鉛蓄電池を捨てに、桜環境センターへ行った
桜環境センターは、ゴミ焼却の際に発生する余剰な熱エネルギーを利用して発電やお風呂を沸かしている。
これらは災害時にも活用できそうだ。
ネットで調べると、工場見学ができるらしいので、先日改めて行ってきた。

個人の工場見学は、14:00から開始。その前に受付を済ませておく。受付はその30分前から開始。
案内の人がついて、色々説明してくれる。

案内の人が、「ゴミを燃やした残りは液体になる」「縦長の炉で、上からどんどんゴミとコークスを入れると、下からどんどん燃える」のように説明していた。
「製鉄所の高炉のようですね。」と話したら「そうなんです!製鉄所の技術で作ったものなんです」と答えていた。
パンフレットを見ると「シャフト炉式ガス化溶融炉」とあり、そのマンガはまさに高炉だ。
1800℃の温度で鉄をも溶かす。
いわば「ターミネータ2」の最後のシーンで、シュワちゃんが溶鉱炉(転炉?)で自分自身を処理するように、燃えるゴミを処分するのだ。
燃え残りは、いわば溶けた鉄や石であり、それが炉の底に溜まり、高温の液体の状態で排出される。
金属や石のようなもの以外は、ガスとして分離され、排ガス集塵器や触媒反応炉を通して無害化して排出される。

こんな凄い物だとは思っていなかった。
さいたま市には、ゴミ処理場が4つあるが、桜環境センターは特別仕様だ。
他の処理場は搬入されたゴミを償却しても15%燃えカスが残る。
その燃えカスが桜環境センターに持ち込まれ、普通の燃えるゴミと一緒に「シャフト炉式ガス化溶融炉」処理され、3%まで量を減らされる。
さらにその3%も鉄や砂を分離し、鉄は製鉄所へ、砂は歩道などで使われる「インターロッキングブロック」の材料などに活用される。
その他、リサイクルできるものはなるべくリサイクルしている。
余剰熱による発電も8,700kWあるのだが、見学時は2つある炉のうち1つが停止していたため、およそ半分の4,300kW程度の発電量だった。

大規模災害などで電源喪失になったら環境センターに逃げ込むのもありだろう。
ただし、ゴミだけで燃やしているわけではなく、コークスと混ぜて燃やしている。そのため、コークスがなくなると、ゴミが燃やせないかもしれない(未確認)。

燃えるゴミの搬入場所。

巨大なUFOキャッチャのグリッパーのようなこれは、ゴミをかき混ぜたり、炉に投入するためのもの。
高さが私の身長よりも高い。2mを越えていると思われる。

ゴミをかき混ぜている様子。
奥の方で、グリッパーが撹拌作業をしている。
燃えるゴミと言っても燃えやすいもの、燃えにくいものがある。他の処理場からの灰などは燃えにくい。適切な割合で混ぜることで処理効率を上げている。

これが発電機。
春日部の地下神殿のずらっと並んだポンプ設備のようなものを期待していたせいか、意外に小さいと感じる。
ゴミ焼却設備が凄すぎたのもあるだろう。

燃えないゴミや資源ごみの搬入場所。
リチウムバッテリ内臓で、しかも簡単に取り外しできない製品が最近は増え、発火事故が1日に10回ぐらい発生しているらしい。
見学は1時間程度なので、その間にも発火事故が発生していたのかもしれない。
技術者として、ゴミを出すときは注意しないといけないと感じた。

分類され、資源化された空き缶。
これらは資源として業者に買い取ってもらえるらしい。
私は写真が下手くそで、いまいちだが、実物はアート作品のようにきれいだった。
「とてもきれいなんですね」といったら、案内の人は「これは展示用に作ったもので、本物はもう少し汚いんです。」「買取にもランクがあり、きれいなら高く買ってもらえます」と話していた。
瓶や缶は、洗ってから出すことで、リサイクルもより促進されるだろう。

気象の凶暴化は温暖化が原因と言われており、人類が無頓着に資源を浪費し続けているせいだ。
被災時のことを考える前に、リサイクルなどの努力で浪費を抑えるべきと改めて感じた。

2024/01/21: 加筆修正

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