コードレス掃除機のバッテリを非常用電源に#2 やられた編
コードレス掃除機のバッテリを非常用電源に#3 部品編
コードレス掃除機のバッテリを非常用電源に#4 錫メッキ編
コードレス掃除機のバッテリを非常用電源に#5 電気回路編
去年の10月頃、SHARPのコードレス掃除機 RACTIVE Air EC-AR2S を買った。
以前から使っている掃除機(1997年に購入した松下電器産業の掃除機MC-A11CR)は、故障知らずでまだまだ現役だが、コードレス掃除機が欲しくて買ってしまった。
掃除機のバッテリは、使用直後を除いて、いつも充電されている。
掃除機はそこそこ頻繁に使用するので、バッテリの劣化に気がつきやすい。
このバッテリを、携帯の外部バッテリとして使えると便利だ。
っていうか、掃除機バッテリを携帯の充電に使うことを思いつき、コードレス掃除機を買ったのだ。
ということで、掃除機バッテリを携帯の充電に使えるようにする装置を作ろう。
この掃除機のバッテリは、取り外しができ、BY-5SBという名前で売られている。安い互換品も出回っており、寿命が来ても新しいのを買えばいい。
出力電圧は18Vで、どうやら5セル直列のようだ。
使用後BatteryLowで止まった直後に電圧を測って終始電圧を調べた。17Vだった。5セルと考えると、1セルあたり3.4Vとなり、バッテリの劣化を押さえるような優しい使い方になっているようだ。
このバッテリは取り外しができるものの、特殊なコネクタなので、コネクタを自作する必要がある。
t=1.0の銅板を買ってきて、適切な形に切り抜いて、金具を作る。
ヤスリで整える。そして、それを固定するための台をMDFボードを切り抜いで作成する。
緑青の発生を押さえるため、銅板にはハンダを塗る。
ここまでできたら、接着剤でそれらを貼りあわせる。接着剤はボンドの「Eセット」。硬化までに時間はかかるが、逆に位置決めをゆっくりできるので、好んで使用している。MDFへ深くゆっくり染みこんでいくようにも思う。
金具に、Y型圧着端子をつけたワイヤーをネジ止めしようとしたら、ナットを付けるのが大変だった。なんだかんだで手も大きいのだ。真鍮のナットとネジを買ってきて、ナットを金具にハンダ付けした。
これで一応、コネクタ部分の完成。
金具の形や間隔をしっかり作らないと、バッテリに負担がかかって、最悪バッテリ側の金具が壊れてしまう。
見た目は汚いが、±0.1mmぐらいの精度で作ってある。
これでも機能するのだが、どうせなら、スロットのレール部分も作ろう。
まずは、土台。やっぱりMDFボードで作る。加工しやすいからね。
掃除機や充電器のバッテリスロットの両サイドのレールは、横にずれないように、かなりピッタリに作られている。
そうじゃないと、バッテリ挿入時に金具が壊れてしまうだろう。
自分で作るものも同じようにピッタリ、ガッチリ作る必要がある。
6mmのMDFボードでは弱いだろうから、2枚貼り合わせ、12mmの板を作り、それをレールの台にする。
2枚の板を貼りあわせ、接着剤が硬化した後でカンナがけで面出しをする。
こういう面同士の接着でも、同じ時間でエポキシ接着剤は硬化するのがいい。
別に切った板を貼り付けて、レールを作る。これも接着剤で固定。
接着剤が固くなるまで、しっかり固定しておかないといけない。
何気にクランプはたくさん必要になる。
レールは、バッテリをしっかりホールドする必要があるが、なめらかに滑らないといけない。
ふすまの敷居に貼るテープなら、滑らかさに加えて耐久性もあると期待できる。
敷居に貼るテープを買ってきて、レールに合うように切って貼り付ける。
作ってみて、予想よりもごつい感じがする。
なんか変だと思って、レールの深さを見たら、深すぎる。せっかく敷居テープを貼ったのに、浮いている。これではしっかりとホールドできない。
しょうがないので、凸部分をカンナがけして、1mmぐらい薄くする。
しかしながら相手はMDFボード。表面はそこそこ硬いが、中はグズグズ、ボロボロだ。
これでは耐久性が無い。表面に接着剤を塗って浸透させ、固めた。
固めるときに、表面がなめらかになるように、テーブルに広げたポリプロピレンのシート(自作シルク印刷で使ったあまり)に押し付けて、クランプで固定する。
固まってから見ると、ツヤがでるほど真っ平らになっていた。
とはいえ、気泡などもあり、ペーパがけもした。
硬化すると、MDFボートとは思えないくらい堅い質感になった。グズグズがむしろ強くなった感じ。
失敗したと思ったが、むしろ良かったのかもしれない。
レールができたら、土台へ取り付け。
接着剤を塗布後、バッテリを挟んで、クランプで軽く固定しながら、位置を微調整する。
徐々にクランプをきつくしていく。
自作コネクタや、DC-DCコンバータも取り付けて、一応完成。
板に部品がくっついているだけで自立しない。Cクランプを1つつけて、自立するようにした。
(もうちょっとちゃんと作ろう)
実際に動いている様子。
自立するための足や、スマホを置く場所ももう少ししっかりと作りたい。
接着剤は、固まるまでに一晩かかる。記事を読むだけだと、数時間で作っているように見えるかもしれないが、実際には数十日かかっている。そのため、最後はやっつけ仕事になってしまった。
DCDCコンバータはネット通販で買ったものだ。放電終止電圧の調整や、iPhoneの急速充電のための抵抗や、USBコネクタを付けるために、小さな基板も用意したが、これらは大した作業ではない。
コネクタやレールなどの部品を作るほうが大変だった。
明日で、東北地方太平洋沖地震から8年になる。
あの頃は計画停電で、一部の地域を除いて、関東全域で不便な生活になった。
あの頃よりも、スマホへの依存は大きくなってきている。
備えあれば憂いなし。作業は大変だけど、用意しておこう。
SHARPが作ってくれると良いんだけど。
P.S. 作り方を少しずつ説明していく予定。
コードレス掃除機のバッテリを非常用電源に#2
コードレス掃除機のバッテリを非常用電源に#3 部品編
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番外編: コードレス掃除機の充電器
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