小さな防水ケースに使えそうだ。
海で使うもので濡れては困るもの(電池やティッシュ等)を入れておくのに良さそうだと思った。
水をかけてしまったり、ボートに乗り移るときに海に落としてしまったり等であれば、中に入れたものを守ることができる。
水圧というものは、意外に強い。
水深1mで、1m2にかかる圧力は、重さにして1,000kg=1tになる(真水の場合。海水の場合約103%で計算)。たった1m潜っただけで、軽自動車(700〜1,000kgぐらい)程度またはそれ以上の重さがかかると考えると良い。
1mぐらいの深さなら、誰だって潜ったことがあるだろう。その時に強く押されているように感じないので直感とずれる。全体が押されているので、解りにくいだけだ。
実際には、軽自動車単位の重さが体にはかかっている。
とはいえ、面積に比例するので、面積が小さければかかる重さも小さくなる。10cm x 10cm なら、面積は1/100なので1,000/100 = 10kgだ。
この弁当箱のフタの大きさは、7cm x 10cm程度なので、水深1mで約7kg程度になる。
レクレーションダイビングでは、基本的に40mまでしか潜れない。
ということで、仮に40mに潜ったとすると、7 x 40 = 280kg の重さがかかることになる。
この弁当箱のフタを、手で押すだけでゆがんで凹む。足で踏むと割れそうで、全体重をかけたくないと感じる。
体重にも耐えられないなら、水中に持っていけば、間違いなく圧壊する。
計算と地上での簡単な実験で、間違いなく壊れるとわかる。
しかし、実際にやってみたい。圧解させてみたいという気分になる。
なんでも実験せずにはいられない性分なのだ。
やるしかない。とはいえ、衝動的に何も考えずにやるべきではない。
事前に色々観察して考える。
- フタはポリスチレン、本体はポリプロピレン。ポリスチレンのほうが割れやすい。圧壊するのはフタだろう。
- Oリングはグリスアップする。グリスはカメラの防水ケースのものを使う。
- 水漏れした時、どのあたりから漏れたがわかるように、ケース内側に水性ペンで線を書いておく。
- Oリングは中空構造なので、Oリング自体が圧力で潰れ、隙間が空いてしまうかもしれない。
- Oリングの溝が深すぎて、高い圧力でOリングが溝に押し込まれ、隙間が空いてしまうかもしれない。
- 圧壊の際、危険があるかもしれないので、何かに包んでおく。
Oリングに隙間が空いてしまう要因が2つ考えられるが、簡単には対処できないので、問題発生時に対処することにする。
そして、昨日、井田で潜るときにBCD(ダイビングで使うチョッキ状の道具)のポケットにそのお弁当箱を入れて潜った。
潜ってすぐに、「コツ、コツ、ボン」と音がした。すぐにダイコンの水深を確認。10.1mだった。
おおよそ、70.7kgの重さで圧壊したようだ。平均的な日本人成人男性の体重程度だ。弁当箱としては充分だろう。
BCDのポケットに手を入れて探ると、フタに大きな穴が開いていることがわかったが、破片が失われると嫌なので、ポケットからは出さなかった。
帰宅後にみると、見事に楕円形の穴が開いていた。
大きな割れ目ができるだろうと思っていたが、完全に穴が開くとは思っていなかった。
また、思った通り、Oリングが蓋の溝に深く押し込まれていた。
急に10mまで潜ったわけではなく、徐々に潜っていった。
ここまで変形すれば、水はダダ漏れだ。圧壊する前に変形していたとしたら、海水が勢い良く流れ込んでいたに違いない。もしそうなら、逆に圧壊しなかった。
しかしながら圧壊した。それを考慮すると、容器内部が減圧され、本体と蓋の隙間にOリングが吸い込まれて密着し、隙間が埋められていたのだろう。
たぶん「本体と蓋の隙間」と「蓋側の溝」の両方に吸い込まれたが、どちらかというと本体側のほうが強かったのだろう。
圧壊後、隙間に吸い込まれる力がなくなり、蓋の溝側に吸い込まれたと思われる。
実験ができて満足したが、もう少し実験してみたい。
また何か条件を変えてやって見るかも。
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