子供のころ、地域の少年野球部に入って野球をやっていた。
朝の練習のときに声が小さいと「ちゃんとご飯食べてきたのか!?」と怒鳴られた。
ご飯を食べなければ、元気も出ない。わかりやすい理屈だ。
何か行動をするとき、事前に充分な食事と休息が必要であるということは、「わざわざそんなこと言わなくても、わかってるよ。」と言われそうなくらい誰でも思うことだろう。
客先の会社のある社員(以下「欠男(仮名)」)が、どうも欠勤が多い。役職の連中も問題視している。
先週末突然、役職の人に欠男についてどうしたものかと相談された。
欠男と私はよく飲みにいくので、相談してきたのだろう。
欠男は技術者としてはともかく、理学者としての才能がある。
Debug等、原因不明の問題の裏側にあるシステムを現象から分析し、解明するのが得意なやつだ。
新製品の開発に、原因不明の問題は付き物で、こういった能力は貴重である。
物作りには欠かせない。
しかし、会社側としてはどうも、のっぴきならない状況であるとの判断に至っているようだ。
また、本人もあっけらかんとした態度をとっているが、内心かなりあせっているように見える。
来なかった分を取り戻そうとして、無駄に夜遅くまで仕事をしたり、無理なことをしている。
何か行動をするとき、事前に充分な食事と休息が必要である。
こんなわかりやすい事でも、あせっているときには見えないようだ。
いっぱい仕事をするなら、いっぱい食わなきゃ。
いっぱい仕事をするなら、いっぱい寝なきゃ。
いっぱい仕事をするなら、いっぱい遊ばなきゃ。
どんな物事にも、ONとOFFがある。
上と下がある。表と裏がある。陰と陽がある。昼と夜がある。
両方共に揃って、はじめてもう一方も成り立つのだ。
一生懸命なのはよいが、片方によるばかりでは、いずれ成り立たなくなる。
今週末は、いつものDiving shopのボスとサシで潜りに行こうかと思っていたが、欠男も誘って潜りに行くことにした。
海はいい。
地上とはかなり違う。見た目も、音の聞こえ方もちがう。体温が急速に奪われるため、体力の消耗も激しいし(けっこう痩せる)、それでいて体の重さが少なく、重さが無いのに動きにくいので、あちこち普段使わない筋肉を使うことになる。
いわば全身の五感がさまざまに刺激され、街での日常とはまったく異なる体験になる。
なによりも、脳(心)に普段とは違う刺激が大量に入るので、心の強化になる。
頭を含めた全身の疲れが空腹をもたらし、食べ物がおいしくなり、夜も気持ちよく眠れる。
これが立ち直るきっかけになってくれるとよいが。
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