2021年2月27日土曜日

会社のお引っ越し

15年前、それ以前3人でやっていた会社を解散し、1人で会社を始めた。

それがどういう時期かというと、2005年6月に国会で「会社法」が成立、2006年5月に施行されたころだ。
会社法の施行以降、設立する会社はすべて「株式会社」であるが、ウチは「有限会社」である。
実は会社法が施工されるギリギリ前に、有限会社として起業した。

会社法の施行により「資本金1円で株式会社が作れる」となり、その流れで、「ネコも杓子も株式会社を作ろう」ブーム的な雰囲気があった。
今で言うところの「意識高い系」がざわついていた。

私は商才に恵まれていないので、地道に技術の道を進まなければならない。
看板だけ「株式会社」としても、「会社法ブームに乗っかって起業した意識高い系の会社」と思われるかもしれない。それが嫌だった。
3人でやっていた会社も10年の歴史があった。会社法が無い頃から、地道にコツコツ頑張ってきたのだ。
法的には有限会社とほぼ同じ形態の株式会社もあるが、「有限会社」とすることでその歴史を示せると思ってあえてそうした。

3人でやっていた会社も無くなったわけではなく、休眠しているだけだ。
そのため、現在でも残っている。
会社法以降、同じ地域に同じ名前の会社が存在していても良いのだが、それ以前はダメだった。
前の会社を残しつつ、同じ名前の会社を作るため、お袋の家(お店)を本店として登記した。

私の仕事は、お客さんの所に出向いておこなう業態だったので、実際に働いている主要な場所はよその会社だった。そのため、現実的には本店は重要ではなかった。
特に問題もなかったので、登記の内容をそのままにして15年…。
飲食系の仕事をしていることろはどこも似たようなものだろうが、コロナ禍でお袋もお店を閉じて、引っ越すことになった。
さすがに赤の他人の住所を、会社の本店とするのは問題だろう。
(とはいいつつ、お袋とは分子生物学的親子関係はあるものの、家庭の事情で、苗字も違うし親権もなかったりするのだが、私のお袋であることは間違いない)

ということで、自社の本店の住所を変更することにした。
ネットで調べると、それぞれの地域の法務局に書類を提出する必要があるようだ。
法務局のホームページ😁から、書き方の例や雛形をダウンロード&印刷した。なんか予約も必要なようなので、電話をして色々聞いた。
「臨時株主総会議事録」も用意しなければならないのだが、その中に「発行済の株数」等がある。
有限会社なので、株は発行していない。定款の書類を引っ張り出してきて見ても、出資金と出資1口の金額の定義はあるが、株の記述は無い。
会社法の施行により、有限会社も株式会社と同じ扱いになっているはずで、おそらくこの1口が1株だろうと想像できるが、ざっと調べた限り、明確なそのような情報は見つからなかった。
そもそもこういう曖昧な疑問は、検索に向かない。
もう一度、地方法務局に電話をして、「有限会社なので、株数は無い。何を書けば良いのか?」のように質問をすると「平成18年以来、一度も見たことは無いのですか?」と逆に質問された。
どっかの書類で見たかもしれないが、普段から意識して見るものでもないだろう。1口が1株で良いかどうかを聞きたいだけなのだが、質問の方向がずれ始めた。検索も難しいが質問も難しい。
「見た覚えはない」のように答えると、「登記証明書を、法務局で取得すれば株数も書いてありますので、xxxで取得して見てください(xxxは本店の管轄の地方法務局出張所)。」と言われた。
質問からずれて、遠回りしつつも、元の疑問は「株数」だ。
それさえ解ればいい。

調べると、地方法務局の出張所は、お袋の店の近くであり、高校生の頃よく使っていた駅の近くだ。時々お袋の店には行っていたが、その周りには見ていなかった。
駅を出て少し歩くと、何もかもが変わっていることに気がついた。
市民病院はJAになり、綾瀬川にかかる橋の位置がずれていた。
高校の頃、その橋の下には江戸時代に作られた石造りの「河岸(船の荷物を上げ下げする場所)」があったはずだが、それも無くなっていた。
(位置がずれたので、何か場所を勘違いしている?)
30年以上の時間が流れたのだ。変わるのも当然だろう。

話を戻して、夕方、窓口が閉まる直前に、出張所に付いた。
駅から出張所まではそこそこ距離があり、出張所は階段を上がった2階だ。息があがり花粉症メガネが白く曇る。
髪の毛はボウボウに伸び、作業着を着た大男。口にはマスクをしている。
誰であれ、そのようなヤツに話しかけられるのは嫌だろう。出張所の窓口の人(女性)が少し怯えているように見えた。
とりあえず、花粉症メガネを外して「登記証明書をください」と話した。
すぐに用意してくれた。
その場で、「株数」を確認すると、やはり「口数」の数字と同じだ。
会社法の施行により、有限会社の資本金の口数を株数と見ることになったのだろう(想像)。

これで提出するべき書類の情報が揃った。
あとは、書類を書いて、印紙を貼って提出するだけだ。
大した情報量ではないのだが、間違った内容を書くわけにはいかないので、情報収集だけで1日がかりの作業になった。

5 件のコメント:

  1. お疲れ様です❗
    別会社を立ち上げてたんですね。

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  2. そうなんですよ。もう15年になります。

    印紙を貼って提出するだけだと思っていたのですが、15年前に取得した履歴事項全部証明書と、先週取得した履歴事項全部証明書の「会社法人等番号」が違っていました。
    法務局に電話で聞いてみたら、歴史的な理由で管理している場所が変わった(出張所から本局)ためという話でした。
    現在では、国内の何処に移動しても番号が変わらないそうです。

    なんだかんだで、やっと今日、提出してきました。
    問題があれば、連絡があるはずです。
    何度も見直しましたが、おっちょこちょいなので、まだ心配しています。

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  3. やっぱり間違いが見つかった。
    訂正してきた。

    おっちょこちょいなので、人の倍手間がかかる。
    面倒だと言う人もいるだろうが、お役所仕事なので決まった内容になっていれば必ず通る。
    むしろ実社会の書類のほうがよっぽど面倒だ。
    業務上の問題には、さらに人生には「正しい答え」なんてものは無い。
    この書類が面倒と思うなら、現実社会では何もできないだろう。

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  4. お疲れ様です。
    確かにお役所書類は大変だけど間違えても丁寧に教えてくれるから助かりますね。専門的な用語が多いのであまり触れたくはないですけど。

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  5. お疲れ様です。
    専門用語、慣れるまでは、やっぱり大変ですよね。
    でも教えてくれるので、本当に助かります。😂

    電話x3、登記証明書を取得に行ったとき、訂正に行ったとき、色々教えてもらえました。
    髪の毛ボウボウ+ひげモジャでも、ちゃんと対応してもらえました。

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