2024年5月4日土曜日

「ありがとう」を

先日、NHK BS1 で、「日日是好日」という映画が放送されていた。
故・樹木希林さんが出ている映画なので、録画しておいて先日見た。
黒木華さんが不器用な女子を演じていた。
樹木希林さんも黒木華さんも演技がすばらしく、とてもいい映画だった。
一日、一日を大切にしようと、改めて感じた。

私は会話が苦手だ。
特に質問されるのが嫌だ。
質問は相手側のタイミングで突然始まるため、急に意識をそちらに集中しなければならない。他の作業をしているときはそれが難しい。
コンビニで買い物をする時、買うものをレジに出した後、財布やエコ袋を出したり、何気に作業がある。
そういう作業をしているときに、「温めますか?」「お箸をつけますか?」「ストローをつけますか?」「レジ袋は必要ですか?」等、質問される。

これが苦痛だ。
とはいえ、答えないといけない。質問に意識を集中し、内容を把握して、適切な回答について考える。
意味的には、"Yes"か"No"だが、日本語では「はい」「いいえ」以外にも様々な言い方がある。
特に否定応答では、注意しないと嫌な感じになってしまう。
かと言って、丁寧な答えの多くは無駄に長く、伝わりにくいこともある。
結局、「いいです(否定応答)」と答えることが多い。

4月は、新人くんが多い。
いつものコンビニの、いつもの店員なら質問すらしないが、新人くんは質問してくる。
数週間前も質問された。

Z世代の扱いには注意が必要だ。
適切な否定応答をいろいろ考え、言葉に詰まりながら、「いいです。」と答えた。
なんか嫌な感じに受け取られなければいいな。もっといい答えはないかな。などと、しばらく考えていた。

「日日是好日」で茶道の先生を演じている樹木希林を見ている時、突然「ハッ」と気がついた。

樹木希林さんの配偶者は、ロックンローラーの内田裕也さんだ。
破天荒な人生を生きたあの内田裕也氏ですら、"Thank you!"(ありがとう)と言う。
内田裕也氏に限らず、多くのロックンローラ、反骨精神の塊のような、何なら反社会的な言動を発するような人でも、"Thank you!"というのだ。
茶道の先生とロックンローラの共通点、相反するように見える間の共通点、すなわち人間の普遍的な部分が見えた気がした。

「これだ!」と思った。
私の応答には、「ありがとう」が足りていなかった。

これからは「いいです。ありがとう。」と答えよう。

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