今回は、EPSON EW-M752T にした。EPSONのプリンタは20年ぶりぐらいだろうか。
エコタンク対応で、ランニングコストが安価になる。古い機械を長く使う人にしてみれば、効果的だし、コンビニのビニール袋すら問題視する時代に合っていると言えよう。
急激なテレワーク化のため、プリンタもまたバカ売れ品薄状態で、先月の末に店頭で注文したのに、届いたのは昨日だった。
届いてから、おもむろにLinuxドライバを探した。
MacのおかげでCUPSが発展し、最近ではLinuxでも簡単にプリンタが使えるようになっていたので、ほとんど気にしていなかったのだが、検索して出てきた「Linuxドライバーダウンロード可能機種一覧」のページをみて愕然とした。
購入したEW-M752Tが、その一覧には無いのだ。
「…やってしまった。」と思ったが、一応ドライバダウンロードへ移動して、ダメ元で検索してみた。
すると、以下のような結果が表示された。
あるじゃん!
しかも、ARM用のパッケージまである。armhf用なので、RaspberryPi 3系で使える。4でもLinuxが32bit版なら使えるだろう。
まずは、PC(amd64)のプリンタドライバセットアップをする。
epson-inkjet-printer-escpr2_1.1.17-1lsb3.2_amd64.deb をダウンロードしてくる。
ダウンロードページの下の方(上記画面の"ESC/P-R Driver 2 (generic driver)"の行の「ダウンロード」をクリックした後で、ソフトウエア使用許諾に同意した後で表示される)に、以下のような事が書いてある。
[Notice] In order to install these drivers, you need to install LSB package (version 3.2 or later) beforehand. Ubuntu: # apt-get install lsb Fedora: # yum install lsb OpenSUSE: # yast --install lsb最初の部分には、「これらドライバをインストールするためには、LSBパッケージ(バージョン3.2またはそれ以降)を事前にインストールする必要がある。」と書いてある。このlsbは、"Linux Standard Base"と呼ばれる機能のパッケージらしい。最新のUbuntuでは、これは全機能を提供していないようで、サードパーティプリンタドライバとの互換性のためだけに提供されているもののようだ。
ウチは、Ubuntu 18.04なので、以下のようにしてインストールした。
sudo apt-get install lsbその後、ダウンロードした epson-inkjet-printer-escpr2_1.1.17-1lsb3.2_amd64.deb を以下のようにインストールする。
sudo dpkg -i epson-inkjet-printer-escpr2_1.1.17-1lsb3.2_amd64.debあっさりと終わってしまった。次は何をすれば良いんだ?
よくわからないので、とりあえずcupsのWebI/F(http://localhost:631)で見てみる。
上の方の「管理」をクリックして、「プリンタの追加」ボタンを押すと、「発見されたネットワークプリンター」の中に「EPSON EW-M752T Series (EPSON EW-M752T Series)」がある。
注意:上記画面は、プリンタ登録後にキャプチャしたので、すでに上にプリンタが見えている
ここに見えていれば、後は普通に設定すればプリンタは使えるようになる。次にスキャナも使えるようにする。
ダウンロードページの一番下の行の"Scanner Driver"、"All-in-one package"と書かれているところの「ダウンロード」をクリックする。
使用許諾が求められ、同意すると、PDFファイルのダウンロードとその下に、"Package Download"リンクが表示される。
PDFファイルは、スキャナドライバのインストール方法が書かれている。
"Package Download"をクリックすると、各ディストリビューション、アーキテクチャ用のtarファイルのダウンロードページが表示される。
うちのUbuntuは18.04のamd64なので、imagescan-bundle-ubuntu-18.04-3.63.0.x64.deb.tar.gz ダウンロードした。
インストールは基本的には、tar.gzファイルを展開して、 展開後にできるディレクトリ内のinstall.shを実行すればいい。
$ tar -xf imagescan-bundle-ubuntu-18.04-3.63.0.x64.deb.tar.gz $ cd imagescan-bundle-ubuntu-18.04-3.63.0.x64.deb/ $ sudo ./install.shinstall.shはよくできており、足りないパッケージを自動的に apt-get install するようになっている。
ドライバのインストールはできたが、スキャナは自動検出&認識ではない。
/etc/imagescan/imagescan.conf でIPアドレスを指定する必要がある。
各ネットワーク環境毎にやり方は様々だと思うが、とにかくEW-M752TのIPアドレスを固定化して、そのアドレスを得ておく。
そうして、以下のように /etc/imagescan/imagescan.conf を書き換える。
# /etc/imagescan/imagescan.conf -- Image Scan configuration # Refer to the documentation for details on the configuration options # for the software. Plugins should come with their own documentation # if they have configuration options. # # Lines starting with a # or a ; are comments. Comments must be on a # line of their own. End-of-line comments are not supported. [devices] myscanner.udi = esci:networkscan://192.168.xxx.xxx:1865 myscanner.vendor = Epson myscanner.model = EW-M752T注意:上記 "192.168.xxx.xxx"には、EW-M752T のIPアドレスを指定する。
この状態で、Terminalからimagescanと入力するか、メニューから「グラフィック」-> 「Image Scan」(ウチはGnome session flashback環境)をクリックすると、imagescanというアプリが起動する。
「更新」ボタンをクリックすると、プレビューが表示される。以下は、プリンタについていた「インクボトルガイド」をプレビューした様子。
一瞬、未対応かと冷や汗をかいたが、バッチリじゃん。
最近のLinux環境は良くなったものだ。
さらにarmhfアーキテクチャのドライバまである(まだ試しいていない。将来記事にするかも)。CANONには無かったと思う(最近見てないので詳細不明)が、CANONとEPSONはお互い切磋琢磨しているので、徐々に良くなるだろう。
RaspberryPiも、PCの代わりに使えるぐらいの性能になった。しかし、実際にPCの代わりに使うには、プリンタやスキャナも普通に使える必要がある。
残念なことに、arm64のドライバはまだ提供されて無いようだ。RaspberryPiでも64bitを必要とするようになったのは最近のことだし、MacもARMに移行するらしいので、arm64の環境も徐々に充実するだろう。
期待して待とう。
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